アウトドアが「仕事」になってしまっている私たちには、アウトドア用の小道具を、違う目的で使っているものがあります。
例えば、「ゲーム・コール」と呼ばれる道具。その中の「バードコール」ならご存知の方が多いかも。もともと、狩猟の道具として発展してきたそうで、狩猟目的の鳥獣自身の鳴き声や、エサとなる小動物の鳴き声を真似た音がでる笛状の道具です。狩猟目的だけではなく、バードウォッチング用のものや、害獣を遠ざけるためにその天敵の声がでるものなど、いろいろあります。
私がツアーやプログラムの時(=仕事の時)に、ほぼ100%携帯しているのが、「CROW CALL」です。その名の通り「カラス」を真似たコールで、"「アァ」に近い、「ガァ」と「カァ」の間の音"が出ます。本来は、カラス好き(?)な人たちのウォッチング用や、呼び寄せて一網打尽に駆除するためのもの。これを、エマージェンシーホイッスルやアテンションホイッスルの代わりに使っています。(エマージェンシー本番の経験は無いけど・・・。)
自然の中では、普通の金属やプラスチックの笛より、カラスとはいえこちらの方がなんとなく響きの収まりがいいような気がします。音の伝わりもかなり優秀です。子供たちのプログラムでは、一番最初にこのコールを鳴らして、プログラムや緊急時のルールについて話すのですが、学校などで日ごろ聞き慣れている普通の笛よりしっかり聞いてくれます。
何度かやっていると、しまいには ①「カァァアァ、カ、カァァ。」とか ②「カァ、カッ、カア!」とか、コールだけでカラス並みに子供たちと意思疎通ができたりします。
(正解は、 ①「あつまれぇ」 ②「すわって」でした。)
まぁ、狩猟にしろ、バードウォッチングにしろ、その鳥獣をコールで呼ぶっていうのはちょっと卑怯な気もするし、少なくともストレスを与えているのは間違いないので、本来の目的で使うのは十分配慮する必要があると思いますが、「自然的な笛」として使うとそこそこ使い勝手がいいようです。そうそう、音楽の世界では楽器としてけっこう使われているようですよ。・・・・
私が数あるコールの中から、CROW CALL(カラス) を選んだのは、別にカラスが好きな訳ではなくて、本当はOWL CALL(フクロウ)が欲しくてお店に行ったところ、表示が英語だけですっかり間違えて買ってしまったから・・・
滝川 望
アドベンチャー バケーション ネットワーク 代表